本日は埼玉県立高校入試の合格発表の日でした。
私が学習塾という職場で働き始めてからもうずいぶんと時間が経ちました。しかし、講師駆け出し1年生だった時からずっと、毎年この日は気持ちが大きく揺さぶられます。特に今年度は、もくせい塾を立ち上げてはじめての受験、一人でこの気持ちの整理をすることの大変さを感じています。まるで嵐の中の小船のようだなどというと、ちょっと大げさすぎるでしょうか。
結果から言うと、全員合格とはなりませんでした。事前に、厳しい勝負であることが分かっていたある生徒がいました。その子からの報告は、大逆転は簡単には起こりえないということを突きつけるものでした。公立高校入試は、世の中にあるたくさんの選考方法の中でも、かなり公平さの守られた制度だとは思います。しかしそこには、中学時代の生徒を多角的に評価するために内申点というものがあります。これにより、生徒たちが受験を意識するときにはすでに取返しのつかない差がついてしまっていることも確かです。それを分かっていてそれでも尚、志願校を変更しなかったその生徒に、そしてその決断を認めた勇気ある保護者の方に、私は一体何ができたのか。他にやれることはなかったのか。そんなことを今日は考え続けています。
不合格だった生徒に対して、簡単に「高校受験がゴールじゃないから次頑張れ」なんて気安く言えません。きっと今は自分を全否定されたようなショックでしょう。この言葉は、人に言われるものではなく、自分で自分に刻むものだと思います。それができたら成長につながるとも。受かったから勝者、受かった人だけが称賛される、というようなことは絶対にありえない。逆もまた然り。この結果から得ることもきっとある、そう願っています。その気付きを得られるまで、残り少しでも傍に寄り添えたらと今は思っています。
一方、努力が実を結んだ生徒たちに関しては本当に良かったです。正直、自己採点の結果が少し危ない子もいたので本人の口から合格を伝えられるまではずっと心配でした。とりあえずおめでとう!ただ、受験がゴールではないことを私はずっと言い続けてきました。今回、自分の合格した高校には、入りたくても不合格で残念ながら入れない生徒たちがいます。そういう子たちのことをゆめゆめお忘れなきように。3年後、そういう生徒たちと今度は大学受験などで争うことになります。その時に高校合格の上にあぐらをかいていた人と、リベンジに燃える人、どちらが良い結果を手にするかは自明の理です。とはいえ、そんなことはちゃんと分かっている子がほとんどな気もします。今日も塾で高校の予習や課題をきちんと進めていて、本当に頼もしいです(^^♪
今回の受験は、生徒それぞれが1歩踏み出そうとチャレンジした結果です。もくせい塾を開いてまだ8ヶ月ですが、生徒たちのそのストーリーに寄り添えて幸せでした。ここで受験生としての関わりは終わりですが、これからも良い縁が続けば嬉しいです。高校生になってももくせい塾に通うみなさんはこれからもよろしく。そして次の受験生たちもエンジンを温めてまっています。一緒に充実した受験生活を送りましょう。