少し昔話になりますが、私が高校生だった時に、阪神淡路大震災がありました。
死者は6434名。戦後最大の被害を出したこの大震災の深刻さを、当時の幼い私はまだ実感できませんでした。連日流れるニュースを、他の情報と同列のように考えていたように感じます。
震災から1~2週間ほど経った頃でしょか、古文の授業中に、先生がこんなことを話されました。
「君たちの先輩、3年生の中に神戸にボランティアに行ってしまった者がいる。受験が近いのにどうするつもりだ。困ったやつだ。」
でも、こう話す先生の顔は、言葉とは裏腹に優しい笑顔をたたえていました。その時の私はまだまだガキで、この時に感じた気持ちを上手く言葉にできませんでした。ですが今あえてこのときの気持ちを言葉にするならばこうです。「誰かの為に何か行動を起こせる先輩がいる、それを温かく見守ってくれる先生がいる。そんな学校で学べて良かった。」
今回、九州地方の大地震で被災された方には、心よりお見舞い申し上げます。そのような方々の日常を1日でも早く取り戻せるように、私のできることを考えて行動していきたいと思います。
今の段階ではせいぜい募金をするくらいしかできませんが、勉強により到達できる境地のひとつに、「誰かの為に行動できる人になる」というものがあると私は信じています。
今回この話題に触れたのは、震災が起こった翌日に、「遠い場所だから実感が湧かない。」と言った生徒がいたからです。その時は上で話した話などをしてみました。行動が起こせなくても、「考えてみる」ことはできると思います。たくさん考えること、それがその子の成長につながっていくと思います。
困ったことがあればお互いに助け合える。そういう、他者への思い遣りを身に付けて欲しい。どうもまとまりのない文章になってしまいましたが、今はそう考えています。