テスト勉強している生徒に対して、「今何点ぐらい取れると思う?」と聞くことがあります。
聞かれた生徒は少し困った顔で、「〇〇点くらい」と答えてくれますが、その答えは大概私の予想よりも低いです。きっとこんなこと聞かれるとは思っておらず、とっさに謙遜も含めて低めに言ってしまうのだと思います。
しかしこの、「聞かれると思っていなかった」という姿勢が実は問題です。私が生徒にこの質問をするのは、生徒が自分の勉強の状態を客観的に捉えられているかを確認したいからです。勉強をする時に、自分がどのくらいできていて、何が足りないのか。足りない部分を埋めるには何をどのくらいやる必要があるのか。それにはどのくらい時間がかかってやり切ることはできるのか。ジグソーパズルをする時にも、全体図を知った上でピースを埋めていけば完成できるのと同じで、ゴールと自分の立ち位置を把握している人のほうが実のある勉強ができます。
だから、今自分は何点くらいとれるのかを測りながら勉強するべきだと思っています。やみくもにワークを解いているだけでは全体図を知らずにピースを埋めようとするようなもので、自分が何のためにその作業をしているのかが分かりません。勉強はベクトル。「質」「量」の他に、「方向」が必要ということですね。
今回の中学生の中間テスト前、生徒たちの学校のワークの口答テストを行いました。全員が受けに来てくれたわけではありませんが、受けに来た生徒たちは必ずプラスの効果があったと思います。それは、「ワークを覚えるまで反復する」のに、どれだけの努力量が必要か。それを口答テストで明らかにしたからです。自分のやっている精度・量では私の口答テストに合格できないということが分かって目の色が変わった生徒もいます。(良い結果期待してます~(^^)/)。
こうして、自分の今の立ち位置を客観的に知ることで、勉強の「方向」を定めていく。この自分を俯瞰で見る力を持てば、学力にも良い影響が出ていくはずです。