勉強には道路交通法はありません。追い抜きも追い越しもバンバンするべきですし、実際にそうなっています。今この瞬間も誰かが誰かを追い抜いたと考えるとスリリングです。
普段の勉強で追い抜きが見られるのは定期テストの成績が発表された時です。順位が上がるというのはそれだけライバルを抜いたわけですし、順位が下がるというのは誰かに抜かれたということです。上位層にいくほど、その順位争いは苛烈を極めます。自分より1つ上の子の名前が噂で伝わってきたりして、メラメラと闘志が沸き起こる反面、今回勝った子に抜かれはしまいかと不安を抱えたりもします。
しかし、1桁台の生徒でなくても順位を意識して勉強することは大切です。自分の抜かした10人は「その他大勢」では決してなく、自分と同じくらいの学力の同じくらい努力した誰かです。その子たちに努力量で「勝った」と思えば嬉しさもあると思いますし、もし10番下がってしまったのなら、同じくらいの学力の生徒に努力の差で「負けた」ということです。その努力の差を埋めることができなくては、いずれは努力の差が実力の差になり、追いつけない差に広がっていってしまいます。その、順位への意識を鋭敏に保つことが勉強への動機へとつながると思います。