休校3日目です。
ご飯を食べながら何気なく見ていたアニメ「僕のヒーローアカデミア」のワンシーンにくぎ付けになってしまい何度も見返してしまいました。
「個性」という特異体質を持った人々がヒーローと敵に分かれて争う世の中で、高校生の主人公・緑屋出久(いずく)がヒーローを目指す物語です。出久の通う高校や高校生が敵に襲撃され、安全を守るために全寮制になります。その説明と寮に生徒を入れる許可を得る為に先生が各家庭を訪問することになる場面です。
出久の家に説明に来た担任教師兼No.1ヒーローのオールマイティに対し、出久の母親が子供を寮に入れることを「私嫌です」と言い放ちます。その理由は、ヒーローを目指し出してからどんどん怪我をする子供を見て心配になったから。このまま今の高校に通わせていて大丈夫なのかと悩みを吐露します。出久もそこで母親の気持ちを理解し「母の気持ちを蔑ろにしてきた当然の帰結」と、ヒーローになるためならもっと安全な別の高校に通うことになってもいいと言います。
それを聞いていた担任教師兼No.1ヒーローのオールマイティは、出久が自分に憧れ、それに甘えて危機管理を疎かにしてきたことを反省し、出久の母親に謝罪し、改めて出久を育てることの許しを請います。
このシーンを見ていて、今の塾業界が置かれている状況と重ねてしまいました。今の状況、子供を塾に通わせることに対して心配でない親などいないはずです。でも塾が授業を「やる」と言ったら、そして子供が「行きたい」と言ったら、なかなか強く反対はできないのではないでしょうか。
塾業界は自分の利益を守るために授業を行いたいと思っています。ですがその為に「今勉強しておかないとヤバい、だから塾は続ける」といった「子供の学力」を人質に取るような説得をするのは卑怯なのではないか、そんなことを考えました。この騒ぎが始まったとき、実は私も同じようなことを言っていました。ここまで大騒ぎになるとは思っていなかったとは言え、自戒を込めて改めて思います。子供の安全に勝る勉強は無い、と。
アニメの話に戻りますが、オールマイトの「命に代えても(出久を)守り育てる」との説得に、出久の母親は「あなたは出久の生きがい 命に代えないで ちゃんと生きて 守り育てて下さい」と高校に通うことを認めます。塾が再開したのち、保護者の方はこういう気持ちで子供がさらされるリスクを認めてくれるのでしょう。この状況下、安全面、そして学力面両方において、できうる限りの全てを行って指導していきたい、改めてそう思います。