先に進む条件

普段勉強しているかしていないかは、授業時の様子ですぐに分かります。きちんと勉強をしている生徒は、授業を始める時の準備がすっとできます。私から始めるよと声をかけるときにはもう勉強し始めています。自分の勉強の中に授業があるという感じで塾を上手に使えています。

 

また、授業時間ギリギリに来たりしないので、忘れ物をしたとしても取りに帰れる余裕がありますし(そもそも忘れ物はほとんどありませんが)、「前回何やったっけ?」と聞くとその内容がすぐに出てきます。やった内容も普段勉強している場合はきちんと身に付いているので、復習もそこそこに先に進めていけるので、進度もどんどん速くなり他の生徒からすると信じられないほど先を勉強していることもあります。

 

同じ学年でも、「どうしてここまで!?」と思ってしまうくらい、普段勉強しているだけで差が付いています。もくせい塾では先に進められる生徒はどんどん先に進めています。昔個別指導塾をやっていたとき、「生徒ひとりひとりに合わせた指導」ってなんだろうなと思っていたことがありました。講師が生徒に合わせて指導すると言えば聞こえはいいですが、実際のところ生徒の我儘に振り回されてしまっている講師も結構いたりして、これって指導なのかな、なんて思っていました。

 

おそらく、生徒ひとりひとりの「学力段階」に合わせた指導が理想なのでしょうが、そんな難しいことをアルバイト講師に求めるのも酷だなと思っていました。ならばどうするか。「成績アップの最低ライン」下回らないような指導法を講師が行い、それを上回る生徒に対しては講師の裁量に任せるのがいいのではないか。そう思い、講師の指導方法を統一しようとしました。もろもろあってそれはあまり上手くいきませんでしたが、その頃考えていたことが今のもくせい塾の指導に役立っています。

 

個別指導は、生徒の最低限の学力を保証した上で、生徒の能力に合わせて進度や指導内容を変化させていくもの。これは私が学生アルバイトだったときには思いつきもしませんでした。今もまだまだ道半ばですが、自分の能力を発揮して本来の学校の進度を大きく上回っていく生徒たちを見ていて、このやりかたで間違ってはいないと思えるようになりました。