小説を読む

小説で、「顔がカッカする」という表現が分からないという生徒が何人かいました。「顔から火が出る」なら分かるというので、そこから類推させてみました。

 

小説は「他人の人生を体験できるもの」とおっしゃっている人がいて、素敵な言葉だなと思いました。時間は誰にとっても同じ長さですが、小説を読むことでそれがフィクションであっても誰かの人生を体験することができる。そうして自分が持っている一つの人生の中でもその何倍もの経験が積めれば、豊かな人生になるのではないか。そう思いました。

 

言葉をたくさん知っていれば豊かな人になれるわけではありません。ですが、その言葉を知る過程で読んできた小説などの作品が、人生を豊かなものにしてくれるかも知れません。そうして得た経験値があれば、他者への想像力を持つことができ、思いやりの心を育むことになります。知らない言葉は学べばいいだけのことですが、心は教わるものではない。こういう状況で人の嫌な面が見える場面がありますが、心穏やかでありたいと思います。