自分の右手が意思を持つ(中2病的なやつではなく)

「定着させる」とはどういう状態を言うのかというと、「何も考えたりせずにスラスラ手が動く」状態だと考えています。

 

私は、勉強はやれば誰でもできるようになることだと思っています。やってもできないという人がいるのは、この「何も考えずに手が動く」状態までもっていけていないのだと思っています。よく、「授業を聞いた直後はできているんですが…」という話をされる保護者の方がいますが、それはまさにそうです。授業を聞いたあと、定着させるところをやっていないのです。

 

ですからどれだけ素晴らしい授業を聞いても、自分で定着させるところまで持っていけないと学力には結び付きません。聞いた授業を最大限生かすには、その内容を反復学習し、上記の「何も考えずに手が動く」状態にすることが必要です。ここを詰め切れないと、今はなんとかできていても、やがてこぼれ落ちてしまいます。飽きるまで同じ問題集を解き直し、問題を見ただけで答えや解説が出てきてしまうようにする。問題集のどこにどんな問題が載っているのかまで覚えてしまう。そうしたら他の問題集で同じ内容の所を解いてみて、何も考えずに正解が出せるようになっていれば「定着した」と言えると思っています。問題に対してウンウン唸っている、考える度に手が止まっている状態では、答えが出せてもまだ定着しているとは言えません。

 

「反復をする」「量をこなす」。言葉で言うのは簡単ですが、本当にここまで引き上げられる子は少ないです。多くの生徒がこの手前でやめてしまいます。私が「問題集は7周解きなさい」と言っていても、行って3周か4周で終わってしまう子がほとんどです。(それでも学校の定期テスト順位で2桁の上位には軽く食い込めるのですが)

 

ですがこれを本当に7周やりきって進んでいったとき、全く別次元の力が身に付きます。テキストの養分を全て吸い尽くし、万能感を感じられるというか、分からない問題はないという感覚。4周で終わってしまった場合と比べ、ここに大きくて深い河が流れているのです。あとほんのちょっとで、すごい景色が見られるのになぁと思ったりもします。