階段を上る

生徒には学習記録を付けてもらっています。

 

その中に1日の学習の振り返りを書いてもらう欄があります。そこ読んでいたら「国語だけでなく算数もやりたかった」と書いてある子がいました。きっとこの生徒は今日の自習で国語と算数をやるつもりだったけど、時間内に算数はできなかったのでしょう。できなかったことを書いてくれていたのですね。

 

それは小さな失敗です。でもこの小さな失敗をしたからこそ、次回自習に来た時には時間配分を意識するようになるかも知れませんし、算数をやるために自習時間を伸ばすかも知れません。こうして、失敗を糧に自分の行動を変えていくことができれば、この学習記録も有意義なものとなるでしょう。この日に勉強を「する」という選択をしたことで、小さいけれど失敗を味わうことができました。これも立派な経験値です。勉強するかしないかで「しない」を選んだ生徒にはこの機会が訪れることはありません。

 

毎日選択することはたくさんありますが、それが能動的なものでない限り、経験値を得ることはあまりないと思います。私自身、なんとなく楽な方を選んでしまった時は得られるものが少ない気がします。

 

勉強を「しない」のも選択肢のひとつ。それを選んだ時、「する」を選んだ人たちとは乗っている階段は1段ずれる。それが2段、3段とずれていき、1ヵ月で31段のずれが発生する。建物でいうと自分はまだ1階にいるのに、他の人は3階にいるくらいの差です。自分にとって大切なものが1階にあるのならばそれもいいと思いますが、3階に上がると見える景色が全く異なるのも事実です。