今日の帰りに、「夏期講習の課題が終わらなかったので明日やってもいいですか。」と言ってきた生徒がいました。正直者でいいですねぇ~(^^)/
夏期講習では授業後に塾に残ってやる「課題」として、毎日多めの量の学習指示を出しています。ですからどこかで「終わらない子も出てくるよな~」なんて思っています。でもこれを家に持ち返ってやる「宿題」にはさせません。
宿題が学力向上にどのくらい効果をもたらすのか、私はかなり懐疑的です。なぜなら今までの指導の中で、宿題のおかげで学力がついたと確信できる出来事が一つもないからです。実際、宿題には効果が無いと断言している研究論文もあるそうです。もくせい塾で成績が上がっている子たちにも、宿題は出していません。だから、「宿題で成績が上がった子、宿題が無くても成績は上がる説」を支持しています。
もちろん、宿題にも効果的な出し方はあると思っています。生徒が塾から帰って2,3日経った後も、モチベーションを保ったまま取りかかることができ、授業でやった内容ときちんと連動して学習内容を整理したり補強したりすることができ、塾で自習するのと同じように集中して取り組めるような宿題を出すことができたら、それは効果が出ると思います。でもその準備をするのは大変な労力なので、それならば自習に呼んでしまったほうが費用対効果が高いと思っています。
また、宿題を出すようになると、生徒に対して「宿題やった?」と確認する作業が出てきます。当然生徒は人間ですからやっているときも、やっていないときもあります。宿題は出してしまうと、やっていることが「当たり前」になる。だから褒めることはあまりありません。しかしやっていないと叱る必要が出てきてしまいます。したがって生徒のモチベーションを下げる可能性を増やしてしまうと思っています。
ではなぜ普通、塾が宿題を出すのかというと、保護者に対して「ウチは宿題を出して面倒見がいいですよ~」とのアピールであったり、「宿題をやっていなかったから成績が上がらなかった」という言い訳を作る意味があったりするのではないかと思います。もちろん全ての塾がそうだというわけではなく、むしろこれは、昔宿題を出していた私自身を振り返っての反省です。そんな思いがあるので、保護者の方から「宿題を出して下さい。」と言われたときは宿題の効果の話からできるだけ丁寧に説明させてもらうようにしています。もくせい塾では課題はありますが宿題はめったに出しません。宿題はありませんが課題があるので、「勉強しなくていい塾」ではないことがミソです。
さて、夏期講習の「課題」についてですが、ルールは「その日のうちに塾で終わらせること」です。これはその日に行った授業と連動し、終わるかどうかギリギリのラインで締め切り効果を狙っています。また、私は課題は筋トレのようなものと捉えています。限界ギリギリまでやって筋肉痛を経て筋力が上がる。そんな感じで課題をやってもらっているので、今日のように「課題が終わらなかった」もありうる。ただこれは、腕立て伏せを100回やろうとして99回で限界がきてつぶれたようなもので、明日必ず筋肉痛になるはずです。だから「なんで100回やってないの?」と叱る必要もなく、ましてや「明日やっていいですか」と言ってきたことがすごいと思います。そんなことを思ってつらつらと書いてみました。