学力に才能は関係あるのかという研究で、「半分は遺伝、半分は後天的なもの」という研究結果があるそうです。
私は、特に中学生高校生レベルの学習内容に関しては、あまり遺伝的なものは関係ないんじゃないかなと思っています。きっと、そこに遺伝が関係するのはもっと先の高等教育の話です。
では、それなのになぜ中学生の段階で個人差があるのかと言えば、それは後天的なもの、環境要因が大きいと思っています。
例えば家に勉強する環境が用意されているか。また、勉強は楽しいものというメッセージが伝わっているかなどです。身近にそのような環境が無いまま中学生になれば、当然勉強はできるようになっていません。環境の違いにより、おそらく中学生になった段階で10年分くらいの蓄積の差が学力に出てくるのではないかと思っています。
これはスポーツなどでよく言われる「1万時間の壁」というやつなのではないかなと思っています。スポーツなど、プロのレベルに達するのに1万時間の基礎練習を積む必要があり、8歳くらいからその道に入っていれば、1日2時間の練習で18歳までに1万時間を達成できるとかなんとか。もちろん勉強に1万時間が必要かどうかは私には分かりませんが、中高生の勉強もただの訓練だと考えています。小学生の頃からその基礎練習をきちんとこなしていれば、中学生になって順位として表れるときに、ある程度上位に入れるのではないかなと思っています。
だからこそ、中学生になって学力が低い生徒が逆転を起こすためには、まずは勉強の「量」を積み上げる必要があると思っています。そこにはまだ「勉強のやり方」や「効率の良い勉強法」なんてものは必要ない。まずは学力上位層の生徒たちが積んできた基礎練習の時間を同じように積みましょう、と思っています。自転車に乗る練習をするのに抜け道や効率の良い練習法なんて無いのと同じで、基礎練習だからこそ抜け道なんて無いと思っています。