3月も本日で終わりです。もくせい塾では、4月より新年度です。
大学への進学状況
2020年度の日本の大学進学率は54.4%で過去最高だったそうです。半分以上の人が大学に行くんですね。
高校での成績が良いと、大学入試で推薦制度が使えます。中でも学校推薦型選抜の指定校推薦の枠を勝ち取ることができれば、大学の合格可能性も高くなります。
今は募集定員の厳格化により、一般入試の状況がかなり渋くなってきているようなので、推薦制度を利用して大学に行く生徒も多くなっているようです。2020年度には、何らかの推薦入試を利用して大学進学をした人の割合は、国立大学で13%くらい、私立大学で56%くらいで、全体でも55%ほどになるそうです。(国公立大学と私立大学の数の割合は2:8くらいです。)
私立高校と県立高校
私立高校は大学への進学実績を高めて生徒募集へアピールするところが多いです。
その為に、コースによっては大学の一般受験を勧める場合もあるし、高校が持っている指定校推薦枠を利用することを勧める場合もあるようです。学力の高いコースは一生懸命勉強させて一般受験で勝負しなさい、推薦枠はあげません。そうでないコースの生徒に推薦枠を使わせます、みたいな。なんだか身も蓋もない話ですが、大学合格件数を増やすための学校の戦略です。
一方、公立高校の難関・上位校などは逆に「指定校推薦枠なんてやるか」とばかりに、生徒に一般入試を勧めてくることは多いです。これは公立と私立で、そのあり方の違いですね。
大学に行く意味
どちらが良いかは一長一短だと思います。生徒の立場からすると、大学にやりたいことがあって、そこに入学する「手段」として大学入試を利用するならば、一般受験の勉強に労力をかけすぎる必要はないでしょうし、一方で、一般受験を経てある程度の学力を備えていないと大学でついていけない場合もあります。以前、AO入試で入学した学生の退学率は、一般入試で入学した学生の3倍近くになっているなんていう記事を見たこともあります。もちろん学力的な面だけが原因ではないでしょうが、「大学生足り得る学力」を身に付けさせる公立高校や私立高校の上位コースのような指導も大切だと感じます。
いずれにせよ、推薦での大学進学が増えていて、アメリカのなど海外の大学進学事情に似てきていると思っています。そういう国では日本の大学より入学することは簡単で、卒業することが難しいと聞きます。大学生も滅茶苦茶勉強しているとか。日本の大学もそれにならって、入学は推薦などで入りやすく、中で一生懸命勉強させるような性質になっていけばいいと思います。そうすれば、なんとなくで大学に行きすぐに退学してしまうことも減り、大学に通う意義の再発見にもつながると思います。