夏期講習ではたくさんの課題と向き合い、立ち向かうことも学んでもらいたいと思っています。
「暗記科目」という認識を越えて
夏期講習の社会は「逆に暗記」です。
「何が『逆に』なんだ?」と思われるかも知れませんね。私たちの世代は、「社会は覚えれば取れる」と言われて育ちましたし、実際にそうでした。「世界一大きな海は」と聞かれれば「太平洋」でしたし、「江戸幕府を開いた」のは「徳川家康」でした。地図や歴史の流れが頭に入っていなくても、中学校レベルの社会はそれでなんとかなるフシがありました。
しかし、大学入試共通テストが始る少し前くらいから、今の社会はもはや「暗記科目」では無くなってしまいました。中学生の学習の場でも、もちろん知識を問う問題は残っているにせよ、考えて答える・文章や図を読んで答える、そういう思考力や読み取りの力が無くては、今の入試や北辰テストでの高得点は望めません。(この波は小学校の教育の場にまで広がっています。)
思考の土台は知識から
ですが、この考えるための土台はやはり知識です。知識無くしては考える土壌が無いのと同じです。問題を解いて解説を読んでも、そこに知らない語がたくさんあれば、その内容は理解できません。全く知らない外国語の文章を読もうとするのと同じで、用語が頭に入っていない限り、思考力問題に取り組むことはできません。
ですから夏はまず、用語を頭に入れることを念頭において勉強してもらいます。もちろん流れを説明しながらになりますが、夏に知識を頭に入れた上で、秋以降問題演習をしていく。そうすることで、社会の用語を暗記知識としてではなく常識として捉えられ、秋以降の演習期に、社会の伸び悩みを解消することができるはずです。堅牢な城を築くにはまず土台をしっかりと固めることからです。