ツインピークス的作文

夏休みは作文指導を請われたり、受験生に作文指導を行ったりするので、「生徒の書いた日本語」を読む機会が増えます。

生徒の作文は飛躍が多い


生徒の課題作文や小論文を添削するのは、生徒の頭の中を覗いているようで面白いですね。

 

自分の考えを述べる時に、理由も添えて述べなくてはなりません。「こうだから、こう」という風に。そして意見を述べた後に体験談を追加したりして話を展開させるのがよくあるパターンなのですが、文章を書くことになれていない子は、そのあたりがメチャクチャになったりしてしまいます。自分の意見を自分で否定してしまったり、話が飛躍していたり。

その世界観は面白いんだけどね


作文は論理的な思考のトレーニングです。書いている内容が地続きになるように、原因と理由や因果関係を展開させていかなくては得点になりません。

 

採点する側としては「このことを書いたのなら次はこうくるよね」と、ある程度予測してチェックを進めます。しかし、生徒の文章が突然飛躍して脈絡が無くなったりしていると、「え、え?なんでこうくるの?」と、自分の予測通りにいかないことにビックリします。それはまるでジェットコースターに乗っているかのような予測の斜め上をいくスリルです。

 

少し疲労している時などに読んでしまうと、その世界観で目の前がグニャリとねじ曲がり、まるで「マルホランドドライブ」や「マルコビッチの穴」を観た後のような、足元がグラグラと揺れるような感覚にさえなります。この感じ、たまりません。(もちろんちゃんと指導はしています)