今日は残作業をしています。
不安になる時期
生徒、特に受験生の成績を見ていて感じるのは、
「この時期、不安になるよね」
ということです。
この時期は、保護者と生徒本人の意識が最もずれる時期だと思っています。親としては「もう受験まで半年切った」となりますが、生徒本人は「まだ半年近くある」なんです。
特に、生徒が中学生の場合はそれが顕著で、それは「北辰テスト」の合否判定があるからだと思っています。
カラクリ
北辰テストの合否判定は、偏差値に対して行われているものです。ですから、募集人員に対して自分の成績が合格者ラインに「入っていて」も、北辰テストの決めたその学校の偏差値基準に届いていないと、「努力圏」と表示されたりします。そのテストが入試ならば合格しているのに、です。
埼玉県立高校入試には東大入試のような「足切り」はありません。ですが数字の影響力は大きく、そこだけを見てショックを受けてしまいがちです。
ですから夏休みが終わって受けた北辰のテストで結果が期待通りでないと、保護者の方は不安になります。しかし生徒本人は夏につかんだ手ごたえがありそれほど心配はしていなかったりします。ですからこの時期のギャップは大きくなり、家庭内の親子戦争が勃発したりします。生徒には、ひとりひとり違う成長曲線があります。
玉子を割った段階でオムレツの味は決まるか
また北辰テストの学校ごとの志望者というのも、どんどん推移していきます。昨日まで目指していた学校が、今日から変わるなんてことはザラに起きています。
ここで大切なのは、今の志望者を集めたときと入試当日の受検者を集めたときの顔ぶれは全く違うということです。そして入試当日の顔ぶれの中にいなくなっているのは、今、諦めてしまった人です。ですから今の集団を気にしても意味がないと思っています。
今から5か月前に、これだけ勉強を頑張っている姿を誰が予想できたでしょうか。なのに今から5か月先の入試の話をもう諦めてしまうのでしょうか。私が受検校の最終決定は12月でいい、今は志望校を変えるべきでないと思っているのはこういう理由からです。
まだ早い
毎年、手に入れた受検結果のデータと、もくせい塾の生徒の結果を見て、この思いはますます強くなります。この時期に志望校を変えるのは早く諦めすぎだと感じています。
私は自分を受験の話にはかなりの慎重派だと思っています。合格の可能性が少ないのならば、その根拠をもとにハッキリと伝えますし、全員を合格させたいのでそうなるように話しがちです。(ただし、塾の掲げる「合格率100%!」みたいなのはちょっと軽蔑していますが。)
ですが、毎年の生徒たちの時期ごとの成長を見て、自分の持っている数字と照らし合わせてみて、上で言ったことは虚勢ではありません。ですから保護者の方には不安な気持ちも分かりますが、「まだまだこれから」を期待してあげてください。