小学生の時、「ボーイスカウト」に入っている友達がいた。
思考する遊び
「それは何するの?」
「みんなでキャンプしたり…」
「ふーん」
当時の私はキャンプというものが何かもわかっておらず、なんとなく「遊ぶのね」くらいの認識だったと思う。たまに見るあの制服がカッコいいなぁと思っていた。
ネットで調べてみると、ボーイスカウトは「野外活動を通じて、子供の自主性を育てる」活動のようだ。キャンプやハイキング、募金活動などを行うとある。
なぜボーイスカウトの話をしているのかと言うと、思考力について考えていて「思考力って、自主的に何かに取り組んだときに身に付いていくよね」と思い、いろいろな体験をするのが大事なんだろうなと思い、そこでボーイスカウトという言葉に思い至った。実に30年以上ぶりだった。
ボーイスカウトをすれば思考力が鍛えられるかどうかは分からない。そしてこれが今流行の「思考型問題」に対処できる力になるかも分からない。でもあのときの友人は、きっと当時の私よりもいろいろな経験をしていたんだと思う。ちなみに私は今でも野外で火を起こすことすらできない。
年をとって、自分の遊びと言えばもっぱら旅行になった。旅行は計画から諸々の予約から、予定外のことが起きた時の対処など、自分の「自主性」を試す遊びだと思う。時には車中泊をしたり、キャンプまがいのこともする。今になって、あのときのあの子がやっていたことを自分でもやっているんだなぁと思うと、どれだけ周回遅れなんだとも思うけれど、今自分は心の中であの制服を着ている。