ここ2・3日、生徒の「計算ミス」を多く目撃する。
もっと悔しがれ
入試問題を解く高校受験生や、積分や数列の問題を解く高校生は、1つの問題に対する計算量が増え、したがって計算ミスも多くなる。「人は誰しもミスをするものだ」というのは確かにそうなのだが、一方でミスをしないという心構えは常に持って取り組まねば改善しない。
実は計算ミスの多い子でも、
「これは絶対に間違えちゃダメだよ」
と事前に言って少しプレッシャーをかけて解かせると、一時的に計算ミスが減る。しかし時間が経つとまたポロポロとミスを量産し出す。つまり、ミスをしないという「意識」を自分で維持することができていないのだ。答案と目の距離が近い、鉛筆の持ち方が悪い、そもそも計算法が自己流になってしまっている等、物理的な原因もあったりすけれど、意識の問題の領分が大きい。これは計算練習をただ積ませるだけでは修正できない。
問題を解くときは、「1問でも間違えたら大変なことになる」という思いで取り組む。そしてこれは、テストなどの「本番」だけやろうとしても不可能で、日常的に取り組んでいる必要がある。自分で自分にプレッシャーをかける行為なので、少なからず心的負荷がかかるが筋トレと同じだ。かけねば意味がない。サッカーのPK線で自分の番が回ってきたとき、そこには「絶対に決めなくては」という願いとプレッシャーのないまぜになった気持ちがあるはず。そして成功率を上げるには日ごろからの「一球入魂」な練習がモノを言う。問題を解くときは、全問正解への切実な渇望が必要なのだ。