「取り掛かり」の速さは、学習量に関わる。
スローモーションを見ているよう
運動には「速い」と「素早い」という2つの速さがある。走るのが速いのは前者で、「動きにキレがある」というのは後者だ。
これは勉強にもあって、問題を解くのが速いというのと、問題に「取り掛かる」のが早いというのがそうだ。生徒によっては、計算力などはあるんだけど、「取り掛かり」がやけに遅いなと感じる子がいる。
例えば授業中、指導の順番が終わり、私の前から自席で作業に戻るまでの時間が妙にかかる。座席に戻るまでが「のんびーり」していて、公園に散歩に来た人なのかなと錯覚してしまう。座席に到着したら到着したで、今度はイスを引いて座るまでに10秒くらいかかる。その前に時計を確認して「あと何分かな」なんてジェスチャーも見せる。イスに座ってから鉛筆を持つまでもまた大御所俳優の演技だ。十分に「ため」を作る。ただ、取り掛かると速いのがニクい、「もっとチャキチャキ動け」と言いたくなる。
そうこうしているうちに私は次の生徒の指導が始まっている。いつか次の子の指導が終わって、その子が座席に戻るほうが早くなるんじゃないかと思っている。勉強に対するクイックネスも鍛える必要があるのだ。