いじめ

良い人間関係にいたいものだよね。

いじめを止めた友人の話


今も「いじめ」とかあるのだろうか。あるんだろうな。私自身はそういう世界から離れてしまったから実感は薄れているけれど、大人が集まる会社の中にだってあるくらいだ。

 

高校は男子校だった。男子校は良くも悪くも「平和」だ。「女子の目が無いだけでここまで心の平穏が訪れるなんて」と、中学時代にいたヤンキーの子たち(当時はまだそういう種族が存在した)の顔を思い出しながら思ったものだ。

 

しかしその平穏にも危機が訪れる。高3のはじめ頃にいじめの予兆があったのだ。受験が近くなるとストレスに耐えられなくなる子が出てくるからだろうか。クラスでちょっと「浮いている」子に対して、「無視しようぜ」という生徒が出てきたのだ。しかし「やめろ」と言うことができない私は傍観者になろうとしていた。

 

なんとなくその発言に流されそうになっていたそこに、ある生徒が、

 

「俺はそういうの嫌いだな」

 

とハッキリと言い放った。すると周りの子たちも次々に「俺もやらね」と言い出し、その空気はたちまちに霧散した。その言い出しっぺも、その後特に何事もなく仲良く過ごした。いじめは起こらなかった。

 

私はその「俺はそういうの嫌いだな」と言った生徒の堂々とした物言いが今でも忘れられない。自分の中のヒーローの一人だ。いつでも自分の中の正義に従って行動する人間でいたいものだ。