頭の中も体の一部だしね。
患部をじっくりほぐす
塾の仕事は、整体師に似ているのかも知れない。肩が凝っている人をマッサージして、少しずつ健康にしていく。
入塾したばかりの生徒と見ると、「ここが悪いな」と思えるところがわりとすぐに見つかる。「途中式を書かない」や「暗記をやらない」「話を聞かない」「手を動かさない」など、たくさんの症状を抱えてやってくるのだ。
その改善策を具体的に教え、お手本を見せて、実際にやらせてと、少しずつ「整体」していく。その患部の症状が和らいでいくにつれて、学力にも変化が見られるようになる。
生徒が抱えてくるそういった問題はその子の生活環境によって生まれているものなので、放っておくとまた症状がぶりかえしたりもする。だから継続することが必要だし、習慣になってしまっているものは一朝一夕には完治しない。時間がかかるところも東洋医学的だなと思う。薬を飲んで「はい、治りました」とはいかない。