必要に迫られないと身に付かない

適度なプレッシャーは必要だ。

差し迫れ!

私の場合、何かが「身に付いたなー」っと感じるのは、だいたい困ったときの後だ。

 

料理にせよバスの乗り継ぎにせよofficeソフトの使い方にせよ、必要に迫られて困ったときに必死になって身に付ける。なんとも情けない話だけど、割とそういうことが多い。

 

昔、いくらやっても英単語が全然覚えられず、学校の成績も下から数えたほうが早い生徒がいた。いくら授業で指導しても翌週にはすっかり忘れていて、またゼロからやり直すを繰り返していた。その親御さんも

 

「ウチの子には勉強を教えても意味が無いんじゃないか」

 

と言い出す始末だった。

 

その子の高校受験、面接があった。その準備として面接練習をすることになったのだが、自己PRを一緒に考たあと、

 

「すぐ練習やるから覚えて」

 

と言ったら、ものの数分で完璧に言えるようになったのだ。英単語ひとつ満足に書けないくらいだったのに、「受験が迫っている」そして「すぐに言わなくてはいけない」という状況がその子の本来の力を引き出したのだろう。本気で困るような、差し迫ったプレッシャーは人を本気にさせるのだ。