言うは易し。
バット振ってる?
仮に私が、
「今からプロ野球選手になって、年俸3億稼ぐ」
と言ったらどうだろうか。きっと野球を知らない人でも失笑するだろうし、野球をやっている人やファンの人からは怒られるかも知れない。「そんなに甘くないよ」と。
じゃあどこまでなら言っても大丈夫だろうか。「プロ野球選手」は話にならないとして、「ホームランを打つ」も私の身体能力では無理。というよりそもそもバットにボールが当たるのか、いや、バットをまともに振れるのか、そしてホームから1塁まで走り切れるだろうかというレベルだ。(ちなみに野球経験はとんどない)
お腹の東京ドームが膨らんできた私のスポーツ適正はこんなものだ。まあ完全にゼロなわけだけど、生徒と勉強はどうだろうか。どうも、こと勉強に関していうと世間の認識はゆるゆるな気がしている。
世の親御さんは「ちゃんとやればできる」の「ちゃんと」をどこに設定しているだろうか。「テストの2週間前?」だろうか。それなら、ノンノン。「じゃあ1ヵ月前からやれば?」いやいや、ちょっと待ってくださいな、そういう話じゃないんですよ。
中学生で真ん中くらいの成績の子は、すでにできなくなっているものがあって、その原因が「小学生」にまでさかのぼるようなことがなにかしらある。そのくらい根が深い状況がゴロゴロしている。だから保護者の方のいう「ちょっと」が、私には全然ちょっとじゃなく思えることがある。「教科書読めば分かるでしょ」も、「もうすぐドラフト1位で指名きちゃうね」に聞こえる。その教科書が「読めない」なんてこともザラにある(読書の習慣の無い子は全員そうだと思ったほうがいい)。「そこまでのレベルは求めてないから」は「でも地元チームのエースで4番くらいはいけるでしょ」と変換されている。
塾人の私にとって勉強は「そんなに甘くない」ものだ。お子様にちゃんと毎日、バット振らせていますか?