この音の正体は

みんな、集まれ~!

夜の来訪者

陽が沈んで夜になると、

 

「カツン、カツン…」

 

と、何かが窓にぶつかる音がする。ちょうど自習していた子たちが夕飯の休憩で教室を出ていき、人が少なくなる頃に聞こえだす。

 

はじめは風や外を走る自動車の影響で建物がきしんでいる音かなと思っていたのだけれど、どうやら「虫」のようだね。

 

明るいところを求めて飛んできた虫が、窓にぶつかっている音だ。ちょうどカナブンくらいの大きさの虫が当たる音量だ。このへんだとカメムシかも。たまにもう少し大きい虫の当たる音がしたり、ぶつかるときに「ミ”…ミ”ミ”ッ」と、明らかにセミだよなぁ~という声も聞こえる。周りが暗いので、教室の照明は虫たちにはさぞ明るく映るのだろう。

 

何度突撃しても窓に阻まれているのを見るのはちょっと哀れな気もしないではないのだけれど、エアコン作動中だし窓を開ける気はないのだよ。中に入ってこられても困る。でもこの時期になると毎日どこかの窓がカツカツ鳴っているのは少し楽しい。夏の夜の来訪者を待ちわびている自分がいる。