面談で保護者の方が、子供の様子として
「長時間机には向かっているのですが...」
とおっしゃることがある。この後には「なのに成績は上がらない」と続く。
実はこの原因を、親御さんは全員分かってらっしゃる。
「本当は勉強していない」
だ。「勉強のやり方が分からないのかも知れない」と続くこともあるだろうが、本気では思ってらっしゃらないだろう。本気で「分からないかも」と思ってらっしゃるのだとしたら、何時間も机に向かって悩んでいる我が子をそのままにしておくはずがない。そんなの見ているほうがいたたまれない。
きっと、「長時間机に向かっている『だけ』の状態をなんとかしてほしい」という依頼なのだと思って話を聞くようにしている。
ここから少し怖い話になる。
実は、その状態にさせたのは周りの大人だ。
どこかで言ったことはないだろうか。「もっと勉強しなさい」と。
どこかで言われたことはないだろうか。「まずは自習室に来させてください」と。
子供はその言葉を言われたら「その通り」にしようとする。成績が悪いことの責任を負わされるのは嫌だからね。だからそう言ってくる人の望む通りにしようと「机に向かう」。
「言った通りにやってるじゃん」
と、子供としてはこの状態が無敵の盾となるわけだ。おそらく保護者の方も、この状態になってからは「もっと勉強しなさい」とは言えていないんじゃないだろうか...ほらね?
子供を間違ったほうに誘導してしまい、袋小路にハマっている状態。これが、「長時間机には向かっているのですが...」の正体だ。