自習室に来て勉強する子が増えてきた。良いね。
塾を立ち上げた当初、もくせい塾に自習室は無かった。その頃の私の中で自習室とは、
「使う人の少ないデッドスペース」
でしかないと思っていたからだ。
それまでに働いてきた塾は、自習室は無いか、あっても受験生以外は来ることのないものだった(受験生は来るのが当たり前だと思ってた)。講師が協力して生徒に呼びかけ、ちょぼちょぼ来る子が出てくるくらいのものだった。(それも呼び込みをやめるとすぐになくなっちゃう)だからもくせい塾では、「授業だけで成績を伸ばそう」と思っていた。今考えると無謀なことをしようとしていたよね。
じゃあなぜ自習室を作るようになったのか、それは「生徒に望まれたから」だ。はじめにもくせい塾に集まってくれた子たちが
「先生、塾で自習させてください」
と言ってきたのがはじまりだった。そこで自習室が生まれた。自習室と言っても、授業で使っていない座席はそのまま残って使っていてもいいよくらいの簡単なものだったけれど。
その時はまさか、その後もくせい塾が教室内で自習スペースの最も広い、「自習ありき」の塾になるなんて思いもしなかった。たしかに今でも自習に来ない子は来ない。でも有効に使ってくれる子もかなりいるんだなということは、自習室を作らなければ分からなかっただろう。何がキッカケになるか分かったものではないのがこれまた面白い。