他の塾からもくせい塾に転塾してきた子に、塾のシステムである「小テスト」に挑んでもらうと、たいてい不合格からはじまる。転塾の理由で多いのは成績不振だけれど、ここに全てが集約されていると言っても過言ではない。
「テストの準備はこのくらいで大丈夫だろう」
と生徒が思ってやってきたことは、たいがい「全然足りていない」のだ。これじゃあ学校のテストでも振るわないよね、ってレベル。
ちゃんとシステムとして用意している小テストでもそうだし、生徒個人と約束して決める個別のチェックなども準備不足から始まるのが通例だ。そんなとき私は生徒によくこう言っている。
「よくそんな丸腰で来られたね。ここは戦場だけれどそんな素っ裸で出てきて戦えるとでも思ったの?」
ふざけた言葉で包んでいるけれど、ちょっと厳しいかも知れない。これでハッと目が覚めた子は本気になる。ぬるま湯に浸っていた自分を恥じて自分のできる最善を尽くしてくれる。そういう子は目覚ましく変化していく。