「友達との勉強」について

勉強は集中しなくてはできない。一度その問題を見たら、解き終わるまでは目を離すことはできないし、もし途中で別の作業が入ってきてしまったら、戻ってくるときにまた集中し直さなくてはいけなくなる。結果、学習効率は下がる。

 

だから「友達と一緒に勉強する」なんてことはできない。友達がいても勉強しているときは一人だし、そうなると今度は近くに友達がいて話し掛けてくるのが「邪魔」になる。「友達と一緒に勉強する」は、なんとなく寂しさを紛らわせるための行為に過ぎない。勉強は孤独なもんだからね。

 

昔、受験が近くなってから「友達と勉強」を始めてしまった生徒がいた。受験の2カ月くらい前からその生徒はだんだん自習に来なくなり、その理由を聞くと

 

「図書館で友達と勉強をしていました」

 

と言うようになった。なんとか食い止めたかったが、説得も虚しくそのまま受験当日を迎えてしまった。成績は十分合格ラインにあったのだが、結果その生徒は不合格になった。

 

その時一緒に図書館で勉強していた「お友達」は、その子の不合格をどう思っただろうか。今でもその子と友達をやっているのだろうか。責任をなすりつけるつもりは更々無いけれど、私はその時のことを忘れることはない。私がその子の「本当の友達」になれなかったことを今でも悔やんでいる。だから「友達との勉強」は今も全力で否定する。