生徒の勉強を見ていて、
「本当に『身に付く』前に終わっちゃってるな」
と感じることがある。いわゆる定着不足。だからその場ではなんとかできているけれどすぐに忘れてしまう、時間が経つとできなくなってしまう。
例えば自転車に乗ることを想像してみてほしい。
「右のペダルを踏んで下げると同時に左のペダルが上がってくるから...」
「重心が右に傾いたら右に曲がっちゃうからハンドルを少し左に切って...」
などと、いちいち考えながら乗っている人はいないと思う。自転車に乗れる人は、何も考えずに操作しているはずだ。じゃないとすぐに転んじゃうよね。勉強も同じで、「何も考えなくても手が動く」状態になることが「身に付いた」ということだ。問題を見た時に、
「これは例のパターンだから、アノ公式を当てはめて...」
と考えているうちは、問題が解けてもまだまだ定着不足なのだ。ここまでじゃなくても、少しでも解き方に迷う、一瞬でも手が止まってしまったら
「わし、まだまだや...」
と思ったほうがいい。たぶんそのうち忘れてしまう。何も考えず、他の人と会話しながらでも解けるくらいが理想かな。(そんな勉強姿勢はダメだけど)
本当の理想は、「自分の名前を書く」くらいで問題が解けるようになること。自分の名前が定着していない人は...いないよね?