受験で焦らないためには

受験が近づくと、「焦り出す」子が出てくる。いや受験生はみんな焦るものなのだけれど、変に焦ってばかりで浮足立ってしまうというか、焦ってしまってそのせいで上手くいかなくなってしまう生徒というのがいる。

 

この仕事をしていると思い出す生徒がいる。別の塾で塾長をしていたときに通っていた女の子。成績は真ん中くらいで、別に悪いわけじゃなかったんだけれど、志望校には1ランク分くらい通知表も偏差値も足りなかった。

 

それで夏が終わって秋が過ぎた頃から焦り出しちゃって、担当の先生とギクシャクし出してしまった。担当の先生が嫌いってわけじゃなかったんだろうけれど、その先生の勉強のアドバイスが「刺さらない」感じだったんだよね。私は直接指導していたわけじゃなかったけれど、見ていてもう少し具体的なサポートが欲しいのかなって感じだった。

 

それでどうなったかと言うと、11月頃になってお友達の通っている別の塾にも通い出した。塾の併用だ。そして結局、志望校を1ランク下げて受験し、合格した。

 

結果だけを見たら別の塾を併用する必要もなかっただろうし、親御さんにはお金をたくさん使わせることになってしまった。これは生徒の不安を解消できなかった我が塾の責任だと思う。私も担当の先生との関係を見ているだけでなく具体的に手を差し伸べるべきだったよね。なんだかいろいろ反省する点があって、今でも思い出すのだと思う。自分の指導の根幹をなす思い出のひとつ。勉強の不安は勉強でしか解決できないことを教えなくてはいけない。