指導の目的はハッキリとしていなくてはならない

勉強の指導にも「対処療法」と「根本治療」的なものがあると思っている。

 

次のテストに向けてテスト範囲内のワークの問題を解説してあげるようなのが「対処療法」。これは次のテストで多少は点数が伸びるかも知れないけれど、定着はしにくいし本人の実力にはなりにくい。指導としてはあまり良いものではないと思うのだけれど、生徒の状況や講師自身の実力的にこればかりになってしまっている塾の指導も結構あると思う。

 

講師の目指すところは根本治療のほうだと思うのだけれど、これはある意味「子育て」と同義なので時間もかかるし相当難しい。原因が目の前に無いことも多い。そうこうしている内にテストはやって来てしまうし四の五の言っていられない場合もある。医者だって、

 

「本当の原因はここじゃないんだけどなあ」

 

って思っていても、「頭が痛い」と言ってきた人には頭痛薬を出さざるを得ないこともあるだろう。

 

しかしそれで良いわけじゃないので、できる限り根治を目指すべきだし、講師にはそれができる実力が備わっていなくてはいけないと思う。与えられた時間の中でできるだけ原因に近いところまで掘り起こせる力を。