受験で志望校に不合格になったとき、君は泣くだろうか。
そして、その涙は何からくるものだろうか。
「目指していた道が閉ざされる悔しさ」からか?それともただ「自分が拒絶されたことで受けるショック」なのか?
この仕事をしてきてたくさんの受験を生徒と共に迎えた。臨まない結果だってたくさんあった。その時に泣いている生徒を見て、本当に目標に向かってずっと頑張ってきた子の涙はこちらに訴えかけてくるものがあった。そんなときは自分の不甲斐なさを痛感し、ただただ痛みだけを感じてきた。おそらく私は、そういう記憶を自分の受験指導に対する心構えにしている。だから私は受験を侮らない。
だがしかし、直前まで勉強をずっと逃げ続けているような子の涙は申し訳ないが響かない。それは本当の悔しさではないと感じてしまうからだ。
不合格を経験したどんな子でも、縁のあった学校で笑顔になってほしいと願っている。願ってはいるが、受験の傷をバネにしてそこで更に頑張れる子だけが本当に笑顔になれるのだとも思っているのだ。学習の指導者としてこんなことを言うのは失格かも知れないが、私は、自分の指導する生徒たちにはもちろん全員に望んだ道を歩んで欲しいが、もしそうでなかった場合は、私の琴線に触れる涙を見せてほしいと願っている。つまり中途半端はいらない。本気だけが見たいのだ。