自分で動ける子に

自学力は質問力とセットだ。自学力を身に付けるには「質問」ができるようにならないといけない。自学は能動的な行動だ。受け身で待っているだけで身に付くものではない。

 

「うちの子、自分から聞きに行くことができないんです」

 

という話をたびたび聞くが、これは「ウチの子の自学力を奪って下さい」と言っているようなものだ。突き詰めれば「自分から聞きに行けない」から「分からないところを『お迎えに行って』あげてほしい」ということだろう。そうすると生徒の能動的な行為を引き出すことにならない。結果生徒はどんどん受け身になり、隣で付き添っていないと何もできなくなっていく。これでは本末転倒だ。

 

だから私は、上のようなリクエストがあっても

 

「では自分で聞きに行けるようにならないといけないですね」

 

と言うようにしている。突き放したように聞こえるかも知れないが、これが自学力を身に付けるということだ。

 

「面倒見がいいです」を履き違えてはいけない。面倒見の良さは、生徒の召使いとして仕えることではないし、ヘルパーとして介護してあげるものでもない。生徒の先々の人生を見据え、生きる力を身につけさせてあげることだ。私は生徒を愚かにさせるつもりはない。それまでは目の前に運ばれた食事だけをしていれば良かったかも知れないが、それではすぐに壁にぶつかる。自分で手足を伸ばすことを学んでもらう、それが弊塾の存在意義だ。