作者の次回作にご期待ください

弊塾の生徒には学習記録をつけてもらっている。自習であれ授業であれ、塾に来た日は学習した内容とひとこと感想を書いている。

 

このねらいはいくつかあって、まずは勉強を点ではなく線にすることだ。たまに何度も同じ場所をやっている生徒がいる。繰り返すのは大切だが、無計画に同じ場所ばかりやっていても上達はしない。前回やったこと、その時の様子を残しておき次の学習時にそれを踏まえた計画にしてもらうのだ。

 

次に1日の学習時間の密度を上げること。無計画で勉強時間を過ごすと、いくらでもサボることができる。机に座っているだけで時間が経ってしまうからだ。だから学習に入る前に計画を立ててもらい、それをこなすように過ごしてもらう。To Doリスト型の計画表なので、どんどん処理する感覚で進めれば勉強の密度も高めやすいはずだ。

 

そして自分の勉強に対して自覚的になること。ひとこと感想を書いてもらうのはまさにこのためで、自分の勉強を「自分のもの」とできた子から学力は伸びていく。だから1日の終わりに自分の過ごした時間を振り返り、それがどうだったのかを言語化してもらっている。

 

つまり、生徒の学習記録シートを見ればその生徒が今後伸びるかがすぐ分かるということでもある。伸びる生徒のシートは「完璧な報告書」であり、それ以上に生徒自身の「意志表現」になっている。今まで見て来た成績の良い・学力の高い子のシートはそれ自身がルポルタージュであり、私小説のようでもあり、また演説のようでもあり、大変読み応えがあった。

 

マンネリした内容の薄い報告などいらない。勉強に本気であることが一瞬で分かるような、そんな学習記録を読者は待っている。