板書を写す

やはり学力に大きく関わってくると感じているのが「再現性」だ。問題をただ解けるのではなく、お手本と同じように解けるか。上手に真似ができる子は上達も早い。

 

そのために求められる能力は、板書を写すことで養えると思っている。授業の板書をきちんと写すことができているか。たしかに授業で作られる板書の内容は教科書にあるものなので、教科書があれば必要ないと言えばそうかも知れない。最近ではプリント穴埋めや映像を利用した授業など、板書を写させない授業形態も増えてきた。

 

しかし情報を残す意味以外にも、先生の板書を真似して書く作業は「型」を取り入れることにもつながるのだ。板書は教師の作品。構成や使う言葉、色分けまで含め作成者の思考も踏まえて表現されているものなので、それを写すということは先生の思考パターンも写し取ることにもなる。こうして自分の脳に先生の考え方を写し取れた子は学力が伸びやすくなる。

 

ボーっとしていたり舐めていたりして、授業中に手を動かさず板書をきちんとノートに写さない子は、知識はあるかも知れないが先生の思考は写し取れていない。だから問題を解く時にイチから自分の解き方の理論を構築しなくてはならない。授業中に頭を働かせることなくただノートを写すだけでは効果は薄いが、きちんと内容を咀嚼した上てノートも写す。そうすることで先達の手法を真似することができるようになり勉強が上達していく。