いつ自分で歩けるようにさせますか?

ある指導の結果、姿勢が受け身になってしまっている子というのがいる。こういう子の成績が下がってきて塾なとに通う場合、2つの学力を回復させる方法があると考える。

 

1つは、生徒が本来持つ「自学の力」を呼び起こして自分で学力を回復させ成績を上げる方法。そしてもう1つは、受け身の姿勢のまま塾に成績を上げてもらう方法だ。

 

前者は弊塾が取っている方法だが、後者の方法について考えてみたい。近隣の公立中学校ではガイダンスを行って、入学前の小学6年生に「毎日『学年+1時間』の自学をするように」と伝えている。中1ならば1日2時間、中2なら3時間、中3なら4時間だ。実際にできている生徒は多くないだろう。弊塾で実際にこれをやっている子は確実に成績が上がる。

 

だからこの学習時間を塾の指導時間で補うことになるだろう。集団講義だと受け身のままで自学にならないから個別指導でこの時間の指導を依頼することになる。安く見積もっても相場は1時間3000円円くらい、中3で毎日4時間×週6日とすると週24時間、月96時間。ざっと月額28万8千円也。大学受験の場合は自学の時間が2000時間は欲しいところ。高3からやると1日6時間、中3生の1.5倍か。いい商売だ、やろうかな。月43万円くらいなら我が子のために出してくれる親御さんもいるかも知れない。これくらい指導時間をもらえたら結構どんな子でも成績を上げる自信はあるのだが。

 

まあ、こんなの当然現実的ではない、冗談はおよしなさいということだ。やはり魚を取ってあげていてもどこかで必ず破綻する。だから魚の取り方を教える必要があるんだ。

 

私の経験上、中学受験を経て中学や高校で成績が下層の子、集団塾(個別指導塾でも)で高校に行き高校でやはり成績が下がってしまった子などはだいたい受け身、「やらされてきた勉強」の姿勢のままだ。そういう生徒が弊塾のスタイルに乗れるまでには結構時間がかかる。ずっと神輿に担がれたままで足腰が完全に弱っちゃってるからね。

 

だからそこからリハビリしていく必要があるのだけれど、だいたいこういう場合親御さんのほうが我慢しきれない。1年経たないくらいですぐ辞めちゃう。もしかしたらそれまでの成績が、子供が自分で地面を蹴って走っていたものと思われているのかも知れない。ガリガリの我が子の足を直視しないで「もっと速く走れるようにならないんですか?」と言っているようで見ていて心が痛む。