昨日から中3の冬期講習が始まっている。
冬期講習は短い日程の中で効果を狙っていかなくてはならない。
復習の内容を1から解説して、余った時間でちょっとだけ問題演習して、みんなで丸つけして間違えが多かったところを再び解説・・・なんてやっていても生徒の学力は伸びない。
以前、年が明けてから塾の見学に来られた受験生親子がいた。
なんでも今通っている塾の冬期講習では
「"問題を解いて解説するだけ"で全く意味がなかった」とのことだった。
それは弊塾が採っている冬期講習の指導方法と同じだ。
おそらく親御さんとしては学校みたいに全ての内容を授業して欲しかったのだろう。だが、おそらくその塾では夏期講習にそういった指導をして、ある程度仕上がった生徒たちを想定した冬期講習を行なっていたのではないだろうか。その生徒はその流れに乗れていなかったのかもしれない。そのズレによる"不満"。結局入塾に至ることはなかったが、少し気の毒に思った。
弊塾の冬期講習ではここで半年過ごしている子を相手にする。問題を解くときは何も言わなくても解き終わったら「はい」と返事して私が測っているタイムを確認するし、口頭で話したこともメモしている。
塾とは、勉強とはカンフル剤のようなものなど無い。しかし冬期講習ではそれに少しでも近いものを提供するためにこの半年間はあったのだ。
生徒が大学に合格した。
先程その報告に来てくれた。おめでとう!
自学の力を伸ばすことを求めて指導を続けていると、
年々「自分が何かをやった」、もっと言うと「私が生徒を伸ばした」「私が生徒を志望校に合格させた」という気持ちは希薄になっていく。
生徒はあくまで自分で頑張り、自分で道を切り拓いただけだ。私はその伴走をしたに過ぎない。
だから自分の達成感が満たされるわけでは無い。感じるのは、「よく頑張ったね」という労いの気持ちと幸せを喜ぶ気持ちだけだ。
達成感は無い、でも昔のエゴイスティックな指導をしていた時よりも素直に人の幸せを喜べている気がする。